日本の製本用具の機能性Ⅰ

英国の雑誌”MONOCLE”で岡野暢夫が紹介されました(2021/03/10)

Book repair Nobuo Okano, Tokyo

“MONOCLE” MARCH 2021 , ISSUE 141

Magazine | Monocle

日本の製本用具の機能性Ⅰ

日頃使用している日本の製本用具には使い易く優れたものがいろいろあります。

まずは、「樫矢」(柏棒)について、

綴じ穴を叩いて開けるのは鉄製の目打ですが、これを叩く木製の道具が「樫矢」です。単純な形の叩き棒ですが、これがめっぽう使いやすくこれに勝るものはないと言えるでしょう。「金槌」で目打ちを叩いてみると判りますが、金属で金属を叩くことで互いに反発して力が充分に伝わらず作業性があまり良くありません。

例えば、大工道具の「のみ」は「金槌」で叩いていますが、「のみ」の柄の部分は木製ですし、彫金や革工芸の金属製の工具は「木槌」を使って叩いています。

厚みのある紙の束に一気に穴を開けるには、この「樫矢」が一番です。ひとつは木製であるから、もうひとつは柄の部分が棒状なので力強く握れるからです。

先人の知恵に感心と感謝

(2019年2月)*写真は、樫矢と目打ち

樫矢と目打ち

コメント

コメントを残す