ドイツ装

英国の雑誌”MONOCLE”で岡野暢夫が紹介されました(2021/03/10)

Book repair Nobuo Okano, Tokyo

“MONOCLE” MARCH 2021 , ISSUE 141

Magazine | Monocle

ドイツ装とは表紙の背の部分と平の部分に別の素材を使った継ぎ表紙です。継ぎ表紙には他に「片袖装」「両袖装」「コーネル装」などがあります。

1984年4月に、製本工房リーブルで「豆本セット」全10巻の企画、販売を始めました。活版印刷による16頁仕立ての刷り本、本金箔のタイトル付きの革表紙、いろいろな技法(丸背、継ぎ表紙、つきつけ装など)を学べる説明書付きの製本セットです。そのうちの「尾崎放哉句抄」(第9巻)でそれまで馴染のなかった継ぎ表紙の技法を取り入れました。それが「ドイツ装」です。

実は、当時この継ぎ表紙には独自の名称がありませんでした。何か新しい名称をと考えていたところ、フランスではこの仕立てを「Bradel Allemand」(ドイツ式くるみ製本)と呼んでいると聞いたので、「ドイツ装」と名付けることにしました。

ドイツ装は背表紙と平表紙がそれぞれ独立しているので、布、紙、革などの素材だけでなく木材、金属、陶板、アクリル材なども表紙に用いることができ、いろいろな装丁が楽しめます。

(2019年2月)*写真は、布地の背表紙と手染め和紙の平表紙「やぶ椿」


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